古田の涙

いよいよ、日本プロ野球史上初のストライキ決行となりました。
私はこのストには、反対です。


これまで選手会側は、古田会長を筆頭に、というか、古田オンリーで、
清新なイメージを保ってきました。
しかし、ストライキを実行することで、そのイメージに瑕疵が生じるように思うのです。
もちろん、きれい事では通らないと言う面も理解できますが、
戦略として、これまで保ってきたイメージを維持し、オーナー側に圧力を加えるということもできたのではないでしょうか。
浮動票的世論は、このストで、いくらかはオーナー側に流れるかもしれません。
きっと選手会側もそれを承知でのストなのでしょうが、
さし違いのようなストをせずに、もっと有利に交渉を運べたのでは、と感じています。


そんな中で、私が確認したところ、古田選手会長はTBSのNEWS23、フジのスポルトに生出演していました。
そして、スポルトの中では、ファンからのメッセージが読まれました。
先週も同様の状況があったと記憶しています。
先週は、そのメッセージをかみしめるようにしてきいていた古田でしたが、
昨晩の古田は、涙を流していました。


メッセージは「OBも行動をしろ」という内容でした。
確かに、TVでは、今回のプロ野球界再編の問題で、OBが積極的にストを是認、もしくは否認するという場面は見たことがありません。
現役選手にしても、近鉄磯部以外はたいした発言をしていないのではないでしょうか。
プロ野球界で生き残っていくためには、仕方のないことなのかもしれません。
ここで、下手に発言すれば、その後の人生に影響が出るのかもしれないのです。
解説、あるいはコーチを生業とするOBも同様でしょう。


そういった意味では、今回のストは、すでに確固たる業績を残し、
引退ももう近々という古田だからこそなしえた決断だったといううがった見方もできます。


繰り返しますが、私は今回のストには反対です。
ただ、古田の涙には、同情せざるを得ません。
現役選手はおろか、OBですら口を閉ざす問題に、古田は孤軍奮闘をしています。
誰か一人くらい、真っ向切って「古田支持」を表明する奴はいないのか。
古田が涙を流したスポルトで、谷沢が「僕らは何もできないけど」みたいなことを言っていたが、ちゃんちゃらおかしい。
「僕は古田君を支持します」。あるいはその正反対でも良い。
そんな一言が、プロ野球界からないから、古田は涙したのじゃないのか?